桜井政博さんのいう「内圧」とは何か?「内圧をカンカンに高める【仕事の姿勢】」という動画を見て

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聞きなれない「内圧」という言葉

桜井政博さんのYoutubeチャンネル「桜井政博のゲーム作るには」を最近よく見ているのですが、「内圧をカンカンに高める【仕事の姿勢】」という動画の中で「内圧」という言葉を始めて耳にしました。

ただ、「内圧」という言葉を検索してみても、医学や機械工学の用語、もしくはこの記事と同じく桜井政博さんの動画の感想のブログしかヒットしませんでした。

今回は桜井政博さんの動画に出てきた「内圧」について考えていきます。

桜井政博さんの定義

動画の中で桜井政博さんは内圧を「風船を膨らませるような力」「外に広がるような力のこと」と説明されています。これは内側から出てくる内発的動機(動因)とも言えるかもしれません。
たとえば、何か面白いアイデアを思いつき、「ゲームを作ろう」「小説を書こう」という気持ちになるのは、この内圧による力です。

しかし、この内圧は人に話したり、SNSに投稿したりすることで萎んでしまうというのが、桜井さんの考えです。つまり、人に話すことで満足してしまい、作品作りに対するモチベーションが下がってしまいます。
そのため、桜井さんは「まずグッとガマンして内圧を育てる」ことが大切だとおっしゃっています。

自分を追い込むことが好きな桜井さん

心理学で内圧(内的圧力)という言葉を使う場合は、外圧(外的圧力)とセットで説明されます。

人が感じるプレッシャーは大きく内圧と外圧に分けられ、以下のように説明されます[1]What’s The Difference Between Internal And External Pressures And How Do I Deal With Them? (2024年3月11日確認)

  • 内圧…自分自身に課すプレッシャー
  • 外圧…他人や社会によって私たちに課されるプレッシャー

つまり、内圧という言葉はもともと自分自身に課すプレッシャーのことで、「設定した期日に間に合わせないと」「クオリティの高い作品をつくらないと」という、自分が設定した課題から生まれる心的な圧力のことです。

桜井さんの動画を見ていると、自分自身を追い込んで、仕事に向き合うという話が何度かでてきます。
本来ネガティブなイメージで使われる内圧を、うまく作品作りに転用するというのが桜井さんのアイデアのように思えます。

「公表高価」のメリット・デメリット

「内圧をカンカンに高める【仕事の姿勢】」の動画の中では、人に自分の考えを話すと、内圧の力が抜けて、かえってモチベーションが下がってしまうというと話されています。

しかし、本によっては「自分の目標をSNSで投稿し、逃げ場を塞いでモチベーションを高めよう」と言っていることもあります。たとえば、けんすう(古川健介)さんの『物語思考 「やりたいこと」が見つからなくて悩む人のキャリア設計術』にはそのように書かれていました。

口に出した言葉(例えば目標)が発した本人の言動に影響を与え、その通りになっていくという心理効果は「公表効果」と呼ばれますが、最近ではこの効果に懐疑的な意見もあります。

よくネットで引用されるものに、ニューヨーク大学の心理学者ピーター・ゴルウィッツァーの実験があります[2]https://ftp.zew.de/pub/zew-docs/veranstaltungen/NCS_Konferenz/paper/Gollwitzer.pdf (2024年3月11日確認)
内容を端的にいうと、2つのグループが同じ作業をした場合、目標を公開したグループはそうでないグループよりも成果が低かったというものです。

もちろん、この実験だけをもって「公表効果はウソだ!」ということにはなりませんが、目標を口に出すことはメリット・デメリットがあるということは覚えておかなければなりません。

そして、桜井さん的な考え方をすれば、より大切なのは「自分自身をより追い込めるのはどちらか?」ということではないでしょうか。

私は去年一年振り返ると、SNSを勉強していた時期ということもあり、SNSで目標や課題を発信していましたが、やっぱり言っただけのことが多かったです。

私も内圧を高めないといけない側の人間のようなので、今後やりたいこと、とくに直近一年で達成できるようなものは、できた後で告知し、内圧を高めていこうと思いました。