ティラノビルダーの楽しい機能・Live2Dモデル
ノベルゲームの制作ツール・ティラノビルダーには、Live2Dモデルを取り込む機能があります。
Live2Dモデルとは、「Vtuberが使っている技術」と言ったほうが早いでしょう。
Vtuber用のLive2Dモデルは比較的簡単に手に入るようになり、専用サイトのNizimaや様々なコンテンツが売られているBOOTHで購入できます。
しかし、Vtuber用のLive2Dモデルはそのままではティラノビルダーに使えないかもしれません。
今回は、Live2Dモデル素人の私がVtuber用Live2Dモデルを購入し、ティラノビルダーで動かすまでの過程をお話しします。
ポイント
簡単に今日の話をまとめると……
- Vtuber用のLive2Dモデルでは、ティラノビルダーで動かすためのコードが足らない
- 手っ取り早く動かすならサンプルのモデルに上書きするのが早い
こんな感じです。
詳しい話に入る前に、Live2Dモデルの導入方法については、ティラノビルダーの本家サイトをご確認ください。
https://tyrano.jp/sample/live2d_4
とくにサンプルゲームのプロジェクトファイルは、むりやりLive2Dモデルを動かすのに必須なので、ダウンロードや初期設定がまだであれば、上記のページからまずお試しください。
また、今回私がこの記事を書くきっかけとなった、Live2Dモデルがこちら↓です。
https://meteneecraft.booth.pm/items/4214973
Vtuber用のLive2Dモデルでは、ティラノビルダーで動かすためのコードが足らない
Vtuber用のLive2Dモデルをティラノビルダーで動かすときに厄介なのが、コードが足らないことです。
先ほど紹介したLive2Dモデルはティラノビルダーで動かすことは想定されていません。
そのためなのかは定かではありませんが、ティラノビルダーで読み込んでも棒立ちのままです[1]同じような状況に陥った人がいるらしく、こちらのフォーラムにも投稿がありました。。
Live2Dモデルを動かす上で重要なのが「model3.json」ファイルです[2]このあたりはバージョンによって違うかもしれないです。。
たとえばサンプルゲームのプロジェクトファイルに含まれているヒヨリのモデルは「Hiyori.model3.json」というファイルを中心に、色々なファイルを参照しながら動いています。
私が購入したモデルには、Hiyori.model3.json内に書かれているPoseやUserData、Motionsなどの情報がありませんでした。
おそらくこのあたりの設定がないのが、モデルを棒立ちにさせている原因なんでしょう。
ただ、Live2D素人の自分が見様見真似でコードを書いても全く動かず、万事休すという状態でした。
また、ネットにある情報は、あくまで自作したLive2Dモデルをティラノビルダーにアップする方法だったので、私のようなモデルを購入した人の解決にはなりませんでした。
手っ取り早く動かすならサンプルのモデルに上書きするのが早い
「せっかくLive2Dのモデルを買ったのに、ティラノビルダーでは使えないか~」と思っていた自分に天啓が。
「動いているサンプルのデータに上書きしていけば、何とかなるんじゃ……?」
結局これを実践して、動かせるようになりました。
やった作業は以下のとおり。
- サンプルゲームに使われている「ハル」もしくは「ヒヨリ」のデータをコピー
- model3.jsonのファイル名を変更
- テクスチャーファイルを上書き
- moc3ファイルを上書き
「ハル」もしくは「ヒヨリ」のデータをコピー
まずはサンプルゲームの「ハル」か「ヒヨリ」のデータをコピーします。
プロジェクトフォルダの中の\data\others\plugin\live2d\modelにあるデータを同じフォルダ内にコピーします。
model3.jsonのファイル名を変更
コピーしたフォルダ内のmodel3.jsonのファイルを変更しましょう。
たとえば、ヒヨリのモデルをコピーしていた場合は、Hiyori.model3.jsonのファイルをHiyori_copy.model3.jsonなどに変更しましょう。
ファイル名が同じだと、たとえ別のフォルダに入っているモデルでも、ティラノビルダーは違うモデルだと認識できないようです。
ファイル名を変更したらティラノビルダーで読み込めるか試してみてください。
model3.jsonに名付けたモデルが無事読み込めたら、一段落です。
テクスチャーファイルを上書きする
モデルが無事読み込めたのを確認したら、次はテクスチャーファイルを上書きしてください。
たとえば、ヒヨリであれば「Hiyori.2048」というフォルダの中に、texture_00.pngやtexture_01.pngという画像ファイルがあります。
この画像はヒヨリを構成している目・鼻・口・髪などのパーツ集です。
そして、これはVtuber用のモデルでも同じです。購入したLive2Dモデルの中に同じようにtexture.pngのようなファイルがあるはずなので、それを探してください。
購入したLive2Dモデルのテクスチャーファイルの名前を、コピーしたサンプルモデルのテクスチャーファイルの名前と同じにして上書きします。
テクスチャーファイルが1つの場合
サンプルモデルのテクスチャーファイルはどちらも2つですが、私の購入したモデルはテクスチャーファイルが1つでした。
その場合は、model3.jsonファイルの中のコードを修正したほうがよいかもしれません。
model3.jsonの中の”Textures”の中身を変更し、1つのファイルだけを参照するようにしましょう。
たとえば、ヒヨリのmodel3.jsonは、初期設定のままだと以下のようになっています。
"Textures": [
"Hiyori.2048/texture_00.png",
"Hiyori.2048/texture_01.png"
],
もしtexture_00.pngしか使わないのであれば、先ほどのコードを以下のように変更します。
"Textures": [
"Haru.2048/texture_00.png"
],
たぶん、これで何とかなると思いますし、もしかしたらわざわざ消さなくても大丈夫かもしれません。
mocファイルを上書きする
テクスチャーファイルを上書きしただけだと、バグったようなモデルが表示されます。
これを解消するために、mocファイルを上書きします。
mocファイルもmodel3.jsonのファイル同様重要なファイルで、Live2Dモデルの様々な設定が入っています。
ヒヨリであれば、Hiyori.moc3というファイルがあります。そして購入したモデルであっても、このmoc3ファイルはあるはずですので、これもテクスチャーファイルと同様に同じ名前にして上書きします。
すると何とかティラノビルダーで購入したLive2Dモデルが表示され、サンプルモデルと同じ動きをしてくれるようになりました(不思議……)。
もっとLive2Dモデルのことを理解していけば、仕組みを理解しながら解説できるのですが、いまはこれが精いっぱいです。