奉行問題とアルファプレイヤー問題

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協力ゲームにおいて、特定のプレイヤーが周りのプレイヤーに鍋奉行のように指示を出すことを「奉行問題」「アルファプレイヤー問題」と呼ぶそうです[1]與那覇潤、小野卓也『ボードゲームで社会が変わる 遊戯するケアへ』河出書房新社、2023年、39頁。

実際に私もアルファプレイヤー問題に遭遇したことがあり、クトゥルフ神話TRPGの初プレイ、それもよりにもよってゲームマスター(GM)がアルファプレイヤーでした。
初心者の私の行動がシナリオ的にまずかったのだと思いますが、GMから「なんでそんなことするんですか?」「状況分かってますか?」とほぼ選択肢の内容なプレイを迫られ、あまりいい体験にはなりませんでした。

海外でアルファプレイヤー問題は「quarterbacking(後知恵)」と呼ばれることもあるように、アルファプレイヤー問題はプレイヤー間の知識の差や、後知恵によって発生します。
また、ターン制のように、優先されるプレイヤーが明確でないゲームでもこのアルファプレイヤー問題は発生しやすいものです。

ゲーム会を開く場合は、アルファプレイヤーが出現しないようなゲームを選ぶ必要があります。また、協力ゲームを創ろうとしている制作者であれば、アルファプレイヤー問題が発生しにくいよう、ランダム性を加え、知識の差だけで勝敗が決まらないようにするなど、工夫することが大切ですね。

References

References
1 與那覇潤、小野卓也『ボードゲームで社会が変わる 遊戯するケアへ』河出書房新社、2023年、39頁。